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今年も自動車業界最大のイベント「ジャパンモビリティショー(以下、JMS)2023」(旧名称:東京モーターショー)が10月26日~11月5日に開催されました。イベント名称を変え、「モーター(自動車)」に限らず、より間口を広げた「モビリティ」を対象としたイベントにしたことで出展企業は増加、2019年開催の195社から2倍以上、過去最大の475社が「JMS2023」に参加する結果となりました。今回発表された日本勢と、欧米・アジア勢各社の展示ブースの盛り上がりには、どのような差があったのでしょうか。まとめて解説します。
3タイプに分かれた自動車メーカー
今回の自動車メーカーの展示は、内容によって大きく3つのグループに分けることができます。ここからは、各グループの企業の展示をいっきに紹介します。
(1)発売間近の新型車や技術展示を揃え、近い未来を提示した自動車メーカー
- ホンダ
- スズキ
- メルセデス・ベンツ
- BMW
- BYD
(2)コンセプトカー中心に遠い未来を示した自動車メーカー
(3)近い未来と遠い未来の両方をバランスよく揃えた自動車メーカー
ホンダ:GMと共同開発する「自動運転車」とは
近い未来を提示してくれた自動車メーカーが、ホンダ、スズキ、メルセデス・ベンツ、BMW、BYDです。
ホンダは、市場投入予定の4台のコンセプトカーと数多くの技術展示を行いました。市場投入予定があるのは、軽自動車のEV商用バンに、北米市場向けのSUVのEV「プロローグ・プロトタイプ」、ハイブリッドのスペシャリティ「プレリュード・コンセプト」、そして自動運転車「クルーズ・オリジン」です。
軽自動車EVと北米向けEVは、来年にも販売が予定されるものです。自動運転車は2026年のサービス開始を謳います。まさに、明日のホンダの姿と言える内容です。
ちなみに、ホンダのブースで最も注目を集めたのが実物大の「ホンダジェット」の機体模型です。模型とはいえ内装はリアルに再現されており、プライベートジェットを体感できる希少な機会が提供されていました。
また、ホンダ・ブースの一角には、ホンダとソニーが共同開発するEV「アフィーラ(AFEELA)」の展示コーナーがありました。今年の1月のCESで発表されたプロトタイプが展示されており、見学のための列が尋常ではないほどに長く、注目度の高さを感じることができました。
スズキ:「圧縮バイオメタンガス」を使った車両
スズキの展示は、3台の販売直前の新型車と2つのEVコンセプト、多くの小さなモビリティ、そして技術展示です。新型車は「スイフト・コンセプト」に「スペーシア・コンセプト/スペーシア・カスタム・コンセプト」、そしてEV商用バン「eエブリィ・コンセプト」です。ほぼ量産車と言える仕上がりで、発売に向けたカウントダウン中といったモデルです。
また、SUVのEVコンセプト「eVX」は2025年の試乗投入が予告されていますし、軽自動車EVコンセプト「eWX」も市販化の可能性が非常に高いモデルです。つまり、コンセプトカーは市販を視野に入れたものばかりだったのです。
技術展示で目を引いたのは、空飛ぶクルマの模型の展示と、インドで進めているCBG(圧縮バイオメタンガス)車です。スズキは、ベンチャーであるSkyDrive社と協業して、来年の春から空飛ぶクルマの製造を開始したいというのです。そしてCBGは、牛のフンを集めて、そこからメタンガスを作ってクルマの燃料にしようというプロジェクト。2022年より事業が進んでいるというのも知っておきたいポイントです。
メルセデス・ベンツ/BMW/BYD:市販目前の新モデル
インポーター(輸入事業者)であるメルセデス・ベンツとBMW、そしてBYDは、それぞれ新型車のEVを披露しました。
メルセデス・ベンツは「コンセプトEQG」、BMWは「iX2」とコンセプト「Neue Klasse(ノイエ・クラッセ)」、BYDは「SEAL」「U8」「D9」を発表しています。このうち、モックアップはNeue Klasseのみ。コンセプトEQGは、コンセプトと言われながら市販は間近とのことです。
一方、BYDの「SEAL」も市販予定ですし、「iX2」は「JMS2023」の発表に合わせて日本発売となりました。
市販可能なモデルの展示がほとんどであったというのが、インポーターの展示の特徴だったと言えるでしょう。
ここからは、日産、マツダ、スバル、ダイハツ、三菱自動車、トヨタの展示について解説していきます。あらゆる展示の中でも、トヨタが頭一つ抜けていたポイントとは何だったのでしょうか。
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