持続可能性／ESGに対する企業姿勢が、長期的なリスクを物語る

　すべての企業はある程度のサステナビリティリスクに直面しており、事業展開している領域においては特にリスクが高まる。たとえば、石油・ガス会社であれば環境問題に出くわす可能性が非常に高く、消費者向けテック企業はデータプライバシー侵害などの社会的リスクにさらされる。

　米モーニングスターの調査によると、ESGリスクが最も高い業界は「エネルギー」と「公益事業」で、最も低いのは「テクノロジー」と「不動産」である。サステナビリティに対する企業の取り組み姿勢は、その企業がこうした長期的リスクをどのように予測し対処するかを示すものである。企業がESG問題への対処を誤ると莫大な経済的コストを負うことになりかねず、長期的かつ持続可能な利益を得る能力が危険にさらされる。

　米モーニングスター傘下でESGリサーチ、格付け、データ提供を行うサステナリティクスは、「サステナリティクスESGリスク格付け」によってこれを測定する。この格付けは、2つの大きな要因であるエクスポージャー（ESGリスクに対する企業の脆弱性）とマネジメント（特定のESG問題に対処するために企業がとるアクション）を考慮し、それらを1つのスコアにする。数値が小さいほどリスクは低くなる。

　以下の表は、「保有に最適な企業リスト2022年版」を絞り込み、サステナリティクスESGリスク格付けの基準でESGリスクが低い、またはごくわずかである企業を強調したものである。ここでは各企業の評価額は考慮せず、各企業の長期的成功の基準に焦点を合わせた。したがって、ここに挙げた銘柄のすべてが現在買い時だというわけではないが、注目企業リストとしては優れた役割を果たすだろう。