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  • 2024/09/18 掲載

KADOKAWAやイセトーも被害「ランサムウェア」、暗号資産犯罪動向調査に見る実態とは?

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身代金を要求するマルウェアの一種である「ランサムウェア」の被害が数年来増加しており、ここ数か月でもKADOKAWAやイセトー、JAXAなど大手企業の報道が相次いでいる。ランサムウェアと併せて確認すべきなのが、身代金のやり取りで使われる「暗号資産とその犯罪動向」だ。本稿ではブロックチェーン分析企業のチェイナリシス ジャパンが発行した「2024 暗号資産犯罪動向調査レポート」を紹介する。一般企業が無視できないランサムウェア攻撃の増加やマネーロンダリング手法の進化、犯罪手法の変遷について解説しよう。
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2024 暗号資産犯罪動向調査レポート
(Photo/Shutterstock.com)

暗号資産犯罪動向調査が示す「ランサムウェア攻撃の増加」

 チェイナリシス ジャパンが保有するブロックチェーンデータを独自で調査分析した「2024 暗号資産犯罪動向調査レポート」によると、2023年に不正な取引を行う暗号資産アドレスが受け取った金額は242億ドルだった。過去最高を記録した2022年の396億ドルから154億ドル分減少したことになる。

 不正取引の61.5%は経済制裁対象者に関連するものであり、149億ドルの取り引きが観測された。2023年の暗号資産オンチェーン取引量全体のうち、不正取引が占める割合は0.34%程度であり、「デジタル資産市場の健全化が進みつつある」とも読み取れる結果が出ている。

 その一方で、依然として不正取引は存在している。不正取引の内訳は、詐欺や盗難、ランサムウェア攻撃などが主要な割合を占める。これらの犯罪手法の中でもランサムウェア攻撃の増加も顕著であり、2023年には10億ドルを超えて過去最高の身代金支払いが記録された。攻撃手法が高度化し、標的も多様化していることが背景にあるという。

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2023年の不正アクティビティの総額
(出典:チェイナリシス ジャパン)
【次ページ】ますます拡大「ランサムウェア攻撃と暗号資産犯罪」
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