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- 2015/03/02 掲載
未来を創るリーダー:米GE イメルト氏に見るこれからのリーダーの条件
米GE 会長兼CEO ジェフリー・R・イメルト氏に学ぶ(第4回)
名古屋商科大学大学院教授、アソシエイトディーン
ネットベンチャーの取締役ヴァイスプレジデント、マーサージャパン名古屋オフィス所長、プリンシパル、コミュニケーション・プラクティスリーダー、ライトマネジメント・タレントマネジメント・プラクティスリーダー等を経て2010年春より現職。
これまで国内外の各業界トップ企業に対して、グローバル化、ビジョン/風土浸透・改革、取締役会の改革、次世代リーダーの育成、タレント戦略の構築、チェンジマネジメント、人事制度の構築、M&Aなどのテーマでコンサルティング活動を行ってきた。
現在名古屋商科大学大学院ビジネススクールにて「リーダーシップ」「ビジネスプレゼンテーション」などの授業や海外ビジネススクールへの講演を担当し、次世代リーダーの育成を行う。
著書として『4つのカラーで見直そうこれからの働き方』(ファーストプレス)。
共著として『取締役イノベーション』(東洋経済新報社)、『転職しかできない人、展職までできる人』(日経人材情報)。
英国ダラム大学ビジネススクールMBA修了。英国クランフィールドビジネススクールエグゼクティブプログラム修了。早稲田大学商学部卒。
<連載バックナンバー>
“GROWTH STARTS HERE(2010)”、“GE WORKS(2011)”,(2012は特別なタイトルなし), とGEのAnnual Report にはシンボリックなキーワードが打たれる事が多い。2012年度は特別な言葉はなかったが今回は復活している。その言葉は“Progress(2013)”。「成長から進化へ」イメルト氏のリーダーシップを体現する活動は次のステージに入ってきているようであり、各種の種が日本でも蒔かれている。
善いものは良いと見定められる
ここまでヘルシマジネーションなど、社会の問題解決者としての視点から善いものを事業の中核にして、それを利益の出るビジネスへとリードをしてきたイメルト氏であるが、近年のGEでは“The GE Works Equation”という方程式を提示し、浸透させている。この最初に来るのが“We look at what the world needs”であり、全ての社員に「何が必要とされているか(善いか)」を考え行動させている。何が儲かるかは気になる。しかし、何が必要とされているかという視点をまず追求する姿勢が最終的に利益にも繋がる事を世界中にいる約304,000人の社員に浸透させてきている。
実はこの考え方は創業者エジソンから受け継がれてきているものでもあるともイメルト氏は述べている*2が、改めてこのビジネスに対する考え方を徹底する所が、今回のGEの進化のキーになっている。そのために、自らが打ち出した“GE Growth Value”をも“GE Beliefs”に変えている。このような徹底した実施はGEの特徴でもあるが、経営の考え方として、利益を先に考える2000年前半の株主利益重視の風潮とイメルト氏の視点の違いに注目したい。
【次ページ】 社会という視点を持ち判断をする
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