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- 2024/02/19 掲載
次期「Windows Server 2025」の新機能を解説、AD “史上最大”の変化とは?
IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など
「Windows Server 2025」はいつリリース?
マイクロソフトは2023年11月に開催した年次イベント「Microsoft Ignite 2023」では、AIを中心とした多くの発表がありましたが、「Windows Server vNextの新機能」というタイトルでWindows Server LTSC(長期サービス チャネル)の次期バージョンに搭載される予定の一連の新機能が明らかになりました。このセッションの録画は、以下のサイトで視聴することができます。https://ignite.microsoft.com/en-US/sessions/f3901190-1154-45e3-9726-d2498c26c2c9?source=sessions
Windows Server LTSCは2、3年ごとのリリースであるため、「Windows Server 2019」(2018年9月リリース)、現行バージョンの「Windows Server 2022」(2021年9月リリース)に続く次のバージョンは、「Windows Server 2025」になると発表されました。
製品名発表と同時にリリースされたInsider Previewビルド「26040」からこの製品名がwinverコマンドやGet-ComputerNameのOsName、WindowsProductNameなどに反映されています。また、これまでのリリースから考えると、2024年後半には正式リリースとなる見込みです。発表時に使用されていたのは「Windows Server vNext」でしたが、ここでは新たに決まった正式名称「Windows Server 2025」と表現することにします。
Ignite 2023のセッションで明らかにされた主な新機能を紹介します。
Azure Editionだけの機能を解放
マイクロソフトは現在、AzureおよびAzure Stack HCI上の仮想マシン(VM)で稼働する「Windows Server 2022 Datacenter: Azure Edition」向けに「ホットパッチ(Hotpatch)」機能を提供しています。Widows Server 2025ではこの機能が、オンプレミスの物理サーバ、Hyper-VやVMware上のVM、他社クラウドのVMでも利用可能になります。ホットパッチは再起動を必要としない更新プログラムで、3か月ごとにリリースされる再起動が必要なベースラインの更新プログラムとの組み合わせで、最大3か月間、脆弱性を放置せずに無停止で長期運用することができます。
ホットパッチはメモリ内のコードに対してパッチを適用するため(再起動を挟んでもパッチは有効)、非常に短時間でインストールが完了するという利点もあります(画面1、画面2)。
なお、Azure Editionではホットパッチ機能は追加コストなしで利用できますが、物理/仮想、およびAure以外のクラウドでは、Arc-enabled Windows Serverを通じて月額サブスクリプションとして提供される予定です。
Azure Editionでは、インターネット上で「TLS 1.3」トンネルを使用した安全なSMB接続を可能にする「SMB over QUIC」もサポートされています。Windows Server 2025では、オンプレミスやAzure以外のクラウドでもSMB over QUICを利用可能になる予定です。
現状、Windows Admin Centerの最新のプレビューであるバージョン2311では、Azure EditionのSMB over QUICの構成にしか対応していませんが(画面3)、Windows Server 2025の最新プレビュービルド(25997以降)では、「New-SmbServerCertificateMapping」コマンドレットを使用してSMB over QUICを構成することができます。評価する場合は、以下を参照してください。
https://aka.ms/SMBoverQUICServer.
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