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IHIのDXは何がスゴい? 同社オリジナル「推進3ケ条」を徹底解説

1853年に造船業から始まり、現在では4つの事業領域へと発展しているIHIグループ。製造業に軸足を置きながら幅広い領域で事業を展開する同社は、DXを進める上で世界の動向にも目を向けながら、戦略的な取り組みを行っている。同社の具体的な取り組みについて、常務執行役員の小宮 義則氏に話を聞いた。

世界のDXに後れを取っている日本の製造業

 DXに関して世界ではどんな姿勢で取り組まれているのだろうか。

 欧米では徹底したデジタライゼーション(業務プロセスのデジタル化)、そしてボーダーレースかつシームレスな企業間連携が行われている。

 2023年4月にドイツで開催された世界最大の産業展示会「Hannover Messe2023」では、「アセット管理シェル」と「エコシステム」がコンセプトとなっていた。アセット管理シェルとは、設備や資産、ソフトウェア資産などのアセット周りのデータを、標準化された通信インターフェースである管理シェルで接続し、見える化する。「エコシステム」は、いわゆる企業間連携だ。

 会場では、マイクロソフトやAWSなどの米国の企業も大きなブースを構えていた。こうした欧米のDX回りの状況について、「ドイツのインダストリー4.0は、元々米国の対立軸として提案されていました。しかし、今や米国と欧州の関係は、企業間連携相手と転換し、いわゆる強者連合になってきています」と危機感をにじませるのは、IHI 常務執行役員 高度情報マネジメント統括本部長の小宮 義則氏だ。欧州では現在、「Manufacturing-X」と呼ばれる、製造業におけるサプライチェーンデジタル化に向けた取り組みも進んでおり、「これは早晩、日本のものづくりの脅威になることは間違いありません」と小宮氏は警鐘を鳴らす。

 ではこれらの情勢を踏まえた上で、日本企業がDXを効果的に進めていくにはどうすればよいのだろうか。IHIの実際の取り組み事例を踏まえながら解説する。

この記事の続き >>
・IHIのDX推進における「3つの壁」とは
・策定した「DX指針3カ条」の中身は?
・なぜ「デジタル基盤高度化」も大事なのか

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