デジタル競争力で“過去最低”の日本
カネカ エグゼクティブ・フェローの鷲見 泰弘氏(以下、鷲見氏):世界で初めて「DX」という言葉を提唱したエリック・ストルターマン氏はDXの目的を、企業がビジネスの目標やビジョンの達成にむけて、その価値、製品、サービスの提供の仕組みを変革することと説明しています。我々が目指しているのも、Smart Workの実現と新たな価値創造であり、社会的価値と経済的価値の最大化に向けて事業ポートフォリオを変革することにあります。
ただそれには、前提として研究開発のさらなる強化や生産性の向上、業務の変革が必要です。現在は、生産性向上の取り組みを先行して始めているところです。また、データを活用できる人材の育成も必要です。現場の知見を持つ人材の活用が重要と考えており、彼らが高度なデータ分析スキルを持てるように教育し、それを現場の知見と融合させることで、自分で現場の課題を解決できるようにすることが目標です。
そして、こうした取り組みを通じてデータを活用する文化を醸成し、全社に広げていきたいと考えています。そのためには、AIやデータを活用するための環境整備が不可欠でした。
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