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- 2016/11/07 掲載
経営者と管理職が知らないと恥ずかしいLGBT基礎知識
work with Pride(ワークウィズプライド) 2016 レポート
「LGBT」とはどういう人たちなのか
LGBTのを説明する際に、セクシャリティ(性)の観点から見ると「カラダの性」「ココロの性」「スキになる性」という3つの掛け合わせから説明できるという。
まず「カラダの性」×「ココロの性」(性自認)だ。たとえばカラダが男でココロが男。カラダが女性でココロが女性。これは標準的な例だろう。しかし、カラダが男でココロが女性、あるいはカラダが女性でココロが男性という人もおり、総称して「トランスジェンダー」と呼ばれることが多い。つまりカラダとココロが不一致の場合の「性別越境者」を指す。
次に「ココロの性」(性自認)×「スキになる性」(性的指向)という掛け合わせで見ると、合計12パターンがあることが分かる(上図を参照)。
ゲイと呼ばれる人はカラダの性も、ココロの性も、スキになる性も男性ということになる。一方、レズビアンの場合は、カラダの性も、ココロの性も、スキになる性も女性だ。
しかし、これ以外にもゲイとレズビアンのケースがある。たとえばカラダの性が女性、ココロの性が男性、スキになる性が男性だと、ゲイということになる。前者との違いは、カラダが男性として生まれたか、女性として生まれたかということだ。ココロが男性で、スキになる性が男性ならば、ゲイということだ。
同様のことは、レズビアンについてもいえる。カラダの性が男性、ココロの性が女性、スキになる性が女性だと、レズビアンとなる。こういったケースは見た目から容易には判断できず、分かりづらい。さらに、それぞれのケースにおいて、スキになる性が両性、つまりバイセクシャルのケースもある。
「LGBTという言葉がメジャーになる中、いま説明した括りでは収まらない方もいます。たとえばカラダの性が男性とも女性ともいいきれない方や、ココロの性も日によって変わったり、年代によって性的指向が変化するケースもあります。そういう意味では非常に多様性に富んでいるのです」(渡辺氏)
LGBT基本方針を設けている企業は何社ある?
さらにLGBTに関して、具体的に性を考える切り口には、出生届・戸籍などで決められた「性別」や、自分の性別をどう認識するかという「性自認」(Gender Identity)、好きになる相手の性別を示す「性的指向」(Sexual Orientation)、服装・しぐさ・言葉遣いなどの「性表現」(Gender Expression)からの観点もある。性は男/女の2つだけでなく、多様なものなのだ。そんな状況の中で、最近ではLGBTに取り組む日本企業も増加してきた。東洋経済の第11回CSR調査によれば、LGBTの基本方針がある企業は2016年時点で173社。この中には、日本アイ・ビー・エム、明治安田生命保険、マルハニチロ、アステラス製薬などが含まれている。LGBTのに関する具体的な取り組みがある企業は146社に上るという。2年前に比べて1.5倍以上になった。渋谷区のパートナーシップ証明書発行など、各自治体の政策の影響も大きくなってきた。
【次ページ】企業がLGBT対応に取り組む2つの理由
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