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- 2016/10/13 掲載
KADOKAWA、新潮社、スマートニュースが明かす「次世代電子書籍ビジネス」とは何か
書籍は「所有」から「利用」へ
最近では、デジタルコンテンツ市場の新サービスとして定額読み放題サービスが登場し、市場を牽引している。
「特に映像分野の伸びが大きく、NetflixとHuluが人気です。Netflixは2015年には7000億円近い売上がありました」(北川氏)
音楽分野も定額聞き放題のストリーミングサービスが伸びている。なかでも人気が高いのは、SpotifyとApple Musicだ。
「2011年からサービスを開始したSpotifyの売上が先行していますが、Appleも聞き放題を昨年から開始しました。AppleはiTuneで1曲ごとに販売していましたが、自らビジネスモデルを壊す動きに出ました」(北川氏)
では、電子書籍はどうだろうか。北川氏は、同社の資料をベースに紹介した。同社の月ごとの単品販売と読み放題サービスの売上の比率をみると、読み放題のサービスの売上比率が多い月では50%近くまでが伸びている。同氏は「読み放題は利益率が低いので、あまり伸びないと予想していたが、かなり伸びている。書籍の世界でも読み放題が一定の割合で受け入れられている。電子書籍は、所有から利用へと流れが変わってきたようだ」と語る。
さらに同氏は、雑誌についても触れた。2008年から8年間で日米の紙雑誌の販売額がどんどん減っている。「米国では22%、日本では37%も紙雑誌の販売額が減りました。この先どうなるのか、怖くて話ができないぐらいです。雑誌はプラットッフォームなので、なくてはならないものです。何とかしなくてはなりません」と危機感を募らせる。
雑誌の収入源である広告にも影響が出ている。国内では2014年にモバイル広告が雑誌広告を抜いた。日米比較すると圧倒的なスケールの違いがあることが分かる。2015年で米国は1兆数千億円以上の広告があり、日本は数千億程度だ。
「米国も雑誌の広告収入は落ちていますが、まだ十分やっていける状況です。海外の電子雑誌は、広告売上がメインの収入源になっています。しかし日本は構造が異なっているので、広告売上も厳しい状況です」(北川氏)
KADOKAWA、新潮社、スマートニュースの「電子書籍ビジネス」
BOOK☆WALKERは現在、785社、31万5000以上の作品を配信中で、アプリ累計ダウンロード数は155万、月額平均購入額は6,000円前後だ。
「電子出版市場の8割以上がコミックですが、我々はライトノベルが強いのが特徴です。英語版と台湾版もスタートしました。直近2年間の売上は約1.5倍の伸びを示しました。一方、読み放題のdマガジンは、会員数が300万人を超え、システム開発から保守・運用、出版取次までを担当しています」(安本氏)
「これらに加えて、定額課金の音声配信サービス『LisBo』(リスボ)を10月からスタートさせます。作家や学者などの貴重な講演会の模様を配信するものです。岩波書店やPHPと共同で、遠藤周作、開高健、井上靖など、錚々たる音声コンテンツを配信する予定です」(柴田氏)
「読書チャンネルは、ユニークユーザーが5万ほどですが、購読ユーザーの約15%が毎日アクセスしています。経済や恋愛などの連載小説も考えています。書籍として売れる作品と電子配信の人気作品は、まったく異なるラインキングになっています」(漆原氏)
【次ページ】「電子化」が可能にする「次世代電子出版ビジネス」
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