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- 2016/08/26 掲載
バイオ研究と「メーカーズ」のつながりは、人類に何をもたらすか
#MakerFaireTokyo2016 レポート
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バイオ研究が可能な「バイオスペース」が世界で立ち上がる
こういったバイオスペースを世界で初めて立ち上げたのが、ニューヨークの「Genspace」だ。Genspaceは、大学や企業の研究機関ではなく、民間としてバイオスペースを2010年末にオープンしたことで有名になった。
「Genspaceは当初、フランケンシュタインのような怪物をつくるのではないか? と懸念する声もあったが、ユニークなプロジェクトが立ち上がり、徐々に成果が出て、いまでは一般に認知されている。この動きは欧州やアジアにも波及した。我々を含めて、国内でも市民が使えるバイオスペース付きのラボが登場している」(伊藤氏)
バイオテクノロジーとメーカーズをつなぐネットワーク
さまざまな遺伝子パーツを組み合わせ、大腸菌などの生物に新たな機能を持たせる合成生物学(synthetic biology)の国際大会「iGEM」や、オープンで安全なバイオ科学・生物学・生物工学を探求するアマチュア研究者のサイト「DIYBIO」、あるいはバイオ実験機材をDIYで製作し、それらの情報を共有する「HACKTERIA.ORG」といったサイトを通じて、国際交流が広がっている。
ファブラボは、MITのニール・ガーシェンフェルド教授による「How Yo Make (Almost) Anything」という有名な遠隔講義が契機になってスタートしたものだ。ここでは、ほとんどのモノを自分でつくる方法を教えているが、電子工作や機械工作だけでなく、昨年から講義がバイオまで広がり、「How to Grow Almost Anything」が開校された。
「このカリキュラムでは、17週間にわたり、さまざまなトピックスのバイオテクノロジーを学べる。昨年20か所のファブラボが本講義に連動し、国内でもファブラボ鎌倉と浜松、山口情報芸術センターが参加した。もともとバイオの専門家は少ないので、どのように技術を学んでいくべきか、既存の大学とも協力しながら課題を解決している」(津田氏)
【次ページ】バイオ研究の倫理的問題への向き合い方
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