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- 2016/08/29 掲載
女性農業経営者に学ぶ「弱さ」を「強さ」に変える4つの方法
農業女子×福祉×観光×ダイバーシティ
「女」だから「できない」のか?
「農家として起業をした当初、周囲から『何も知らない女性がいきなり農家をするのは無理だ』とよく言われました。確かに、お店に野菜を持って行ってもなかなか売れず、あっという間に崖っぷちに立たされました。このままでは、借金だけを背負って倒産!というところまで追い詰められた時、気が付きました。発想を逆転させよう、と。『女性には無理』と言われるということは、『女性だからこそ出来ることがある』ことではないか。『何も知らない』と言われるということは、『素人の消費者だからこそ知っていることがある』といことではないかと」(井上さん)「消費者の立場で考えると、顔や人となりが見える生産者なら信頼して購入できる」との考えから、自身をブログやソーシャルネットワークで前面に出すことにした。「女性だからできる新しい農業のかたち」をキャッチコピーに、店頭や販売サイトで展開。すると作り手の、顔の見える安心感が受け入れられ、徐々に野菜が売れるようになってきたのだという。
「移住者の名張愛」がビジネスを変える
井上さんは以前父親の会社でセールスプロモーターをしていたため、ブランディングや広告の重要性を知っていた。しかし、小規模農家ではそれを行うために必要な資金を得ることが難しい。さて、どうするか。まず思いついたのは、地元の広報誌にアグリーの記事を書いてもらうことだ。それも、トップページが良い。しかし当然、そのような機会はなかなか訪れない。
そんな時、名張市が発行する広報誌『広報なばり』の特派員募集記事が目に入った。これは任期中に何か題材を決めて名張についてのレポートの記事を書くことを広く市民の中から募集し選任するといもので、井上さんはすぐに「これだっ!」と思い立候補。見事特派員に選ばれた。
選ばれたはいいが、さすがに公的な媒体に広告宣伝目的の記事を書くわけにはいかず、何を題材にするか相当悩んだそうだ。
そして、豊かな自然に囲まれながら、電車を使えば大阪や名古屋のような都会へもスムーズに行くことが出来る。おしゃれな住宅街があるかと思えば、歴史ある古民家もある。こういった異なる環境が共存する名張を「ハイブリッドなまち名張」と名付け、移住者だからこそ感じる名張の魅力を記事にした。
「自分を受けれてもらおうと思ったら、まずは自分が相手を愛すること。そうすることで、名張の人にも愛される人、愛される農家になっていきたい」という想いをこの記事に込めた。こうして名張全域に自分の存在を知ってもらうことができた。
やがて井上さんの自身をブランディングしたプロモーションが功を成し、大手スーパーやレストランから引き合いが来るようになり、アグリー農園が地域のブランドとして受け入れられ始めた。農業経営が軌道に乗るとともにマスコミの注目も浴びるように。最近では伊勢志摩サミットの海外プレスツアーが農園を訪れた。
【次ページ】「障害」ではなく、「個性」です
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