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- 2016/04/11 掲載
石破茂 地方創生大臣とこばやしたけし氏が対談、「カネで賑わい作っても定着難しい」
地域のことを「自分ごと」として捉える
こばやし氏は、女子高生が地方都市の現状と活性化策について語り合うマンガ『地方は活性化するか否か』を2015年10月に出版、その内容が現在の地方都市の姿を鋭く描き出していると注目を浴びている。石破大臣も自身のブログで勧めているほど。こばやし氏はマンガ化のきっかけを次のように語る。
「これまでにも秋田県を取り扱ったマンガや作品を作ってきました。秋田のことを調べている中で、負の側面が多く目に留まるようになったんです。そんな課題があることを訴えたいと思いましたが、私のような40代の中年が訴えても響かない。じゃあ、女子高生をキャラクターにして代弁してもらおう、というのがスタートでした」(こばやし氏)
石破大臣はこれに対して「キャラクターがとにかくかわいい。それがいいよね」と応じたので、こばやし氏の狙いは成功したと言っていいだろう。
「見た目がかわいいだけではなく、知事や市長、議員など偉い人が出てこないのもいいところ。大人の意見を代弁する役割として女性教師が出てくるが、これがまたかわいい」(石破大臣)
地方を活性化させるためには人口の維持が欠かせないが、地方から大都市への若者の流出はとどまる気配を見せない。こばやし氏は若者の大都市志向自体は否定せず、「見聞を広めるために一度都会に出るのはいいこと」だと言う。
「ただし、そこから帰るとき、帰りたいとおもったときに、地元に受け皿がないことが問題です。大都市で身につけたスキルを活かす仕事が地方にはありません」(こばやし氏)
このこばやし氏の言葉に石破大臣も賛同する。
「私の地元鳥取を見ても、地元に戻ってもクリエイティブな仕事がないことが大きな問題だと思います。しかしこれからは通信網、交通網が発達して、地方にいながら東京の仕事をできるようになる。地元に戻るという選択肢に、もっと現実味が出てくると思う」(石破大臣)
カネで賑わいを作っても定着は難しい
UターンやIターンを狙ったイベントも各地で開催されているが、「カネで賑わいを作っても定着は難しい。賑わいでカネを作れる街を目指すべき」と、2人は口を揃える。こばやし氏は自身の友人の例を挙げ、次のように語る。「街に残された古い倉庫兼店舗をリノベーションして、カフェとパン屋を経営している友人がいます。午前中は近所のお年寄りが、夕方以降は仕事帰りの人で賑わっています。まさに地域の交流の場になり、賑わいでビジネスを作っているのですが、彼は地方創生を考えて取り組んだ訳ではありませんでした。ビジネスとしての可能性を追求した結果、街に賑わいが戻ったのです」(こばやし氏)
地方創生という大きな言葉で他人事のように捉えるのではなく、できることは限られるとしても、自分ごととして捉えてこつこつ取り組んで行くことが結果的には地域の活性化につながるのではないかとこばやし氏は言う。そこには場が生まれ、それを面白いと思った人がつながり大きな力になっていく。
「自分ごととして捉えることはとても大切です。統一地方選挙の投票率が低迷し、立候補者探しにも困るような状況で地方がよくならないと言われても困ります。主権者はあくまで、そこに住んでいるあなたたちです」(石破大臣)
【次ページ】地方移住にはメリットもデメリットもない
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