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- 2016/02/12 掲載
北陸新幹線の関西ルートはどうなる? 小浜・京都か米原か、それとも舞鶴か
建設費は米原ルートが最安
金沢から福井県の敦賀まではルートが決まっており、2023年に開業する予定。敦賀から大阪までのルートは1973年、国の整備計画に小浜ルートが盛り込まれたものの、小浜を通過しない米原、湖西ルートも候補に浮上、これら3ルートが議論の対象となってきた。
小浜ルートは小浜から京都府亀岡市を通って大阪へ向かう。米原ルートは敦賀から南下し、米原で東海道新幹線と合流する。湖西ルートは敦賀から琵琶湖の西岸を通り、京都で東海道新幹線と接続するルートだ。
近畿、中四国の府県で組織する関西広域連合の試算によると、建設費は小浜ルート9,500億円、湖西ルート7,700億円、米原ルート5,100億円。敦賀から新大阪までの移動時間は、小浜ルート33分、湖西ルート35分、米原ルート45分となっている。
福井県は整備計画に従い、小浜ルートを採用するよう求めてきたが、関西広域連合や石川県議会、滋賀県は3ルートのうち、最も建設費が安く、早期開業が見込める米原ルートを支持してきた。
新たに2ルートが検討対象に
小浜・京都ルートは、小浜から南へ向かって京都に入る。京都を通らないことに批判が出ていた小浜ルートの弱点を補った形だ。駅の設置場所は京都、新大阪とも地下とし、京都-新大阪間を東海道新幹線の代替機能を持たせるため別線とする考え。
JR西日本の真鍋精志社長は与党検討委員会で「北陸から関西へ向かう鉄道移動の5割は大阪、3割は京都が目的。京都経由で一気に大阪まで開業するのがわれわれの望みだ」と小浜・京都ルートの狙いを説明した。
舞鶴ルートは小浜から日本海沿いを舞鶴まで進み、そこから南下して京都、大阪、さらに関西空港まで延伸する構想だ。近畿の南北連携を強化する一方、関空接続でよりいっそう経済効果を高めようとしている。
関西広域連合が対応見直し
関西広域連合などが支持してきた米原ルートの問題点も新たに浮上している。東海道新幹線を運行するJR東海と北陸新幹線を運行するJR西日本で、運行システムや地震に対する脱線防止システムが異なるうえ、東海道新幹線が数分間隔で運行するなどダイヤ過密で接続する余地がないことだ。与党検討員会に出席したJR東海の宮澤勝己取締役は「東海道新幹線は大変な高密度で運行しており、(接続は)とても困難だ」と指摘した。北陸地方には乗り換えなしで京都、大阪への直行を望む声が強い。
こうしたことから、関西広域連合長の井戸敏三兵庫県知事は1月末の広域連合委員会で米原ルートにこだわらない考えを示した。時間的な制約があることから、代替案を示すことも困難としている。
湖西ルートは米原ルートに次ぎ、関西への経済波及効果が高い。しかし、比叡おろしの強風で運行がストップする不安が指摘されている。小浜ルートは亀岡市に西京都駅を設置する構想だが、京都市へ乗り入れないことが大きな弱点だ。
舞鶴ルートで西田委員長は大阪の新幹線停車駅を天王寺と想定している。このため、新大阪で山陽新幹線と接続できない点を疑問視する声が、与党内に上がっている。舞鶴からいったん南東へ進み、京都を経由することで、大阪までの時間的なロスが多少出ることも気になるところだ。
【次ページ】有力ルートはここだ!
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