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近年、フィンテックの新たな潮流として、組込型金融(エンベディッド・ファイナンス)が注目を浴びています。非金融の事業者でも取得の難易度が比較的低い金融ライセンスで、金融事業への参入が可能であるためです。すでに多くの企業が自社のサービスに金融機能を組み込み、自社の顧客に提供しています。これにより、新規事業の創出や、顧客エンゲージメントの向上を実現させているのです。また他の金融事業者のサービスに自社の金融サービスを組み込むことで、顧客に対して複合的な金融サービスを提供する事例も多く登場しています。この潮流に呼応するように、2024年には「BaaS(組込型金融に必要な銀行が提供する機能やサービスをクラウドサービスとして提供する仕組み)」について、3メガバンクのサービスが出揃いました。こうした金融分野の変革は、現在、一般消費者を対象とするB2C事業者の取り組みが先行していますが、この動きはすぐにB2B事業者にも波及すると思われます。一方、自社のサービスに金融サービスを組み込む場合、顧客へ送金・支払決済・貸付・投資・保険などの金融機能の提供を仲介するため、金融規制の対象となることがあります。組込型金融への参入を検討する事業者は、自社が金融規制の対象となるのか、金融規制の対象となる場合にはどのような対応が必要なのか、を正確に把握する必要があります。 そこで、本講演では、組込型金融の意義及び現状を国内外における近時の事例も紹介しながら概観したうえで、組込みの対象となる送金・支払決済・貸付・投資・保険などの金融機能ごとに、自社のサービスに金融サービスを組み込む際のスキームを解説します。また、銀行代理業や電子決済等代行業、金融サービス仲介業といった免許の違いや規制上の留意点及び重要ポイントについて、実務的な視点から解説します。

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