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  • 2018/10/16 掲載

Windows 10の機能更新サイクル、やはり早すぎた? 「2年ごと」へ緩和可能に

連載:山市良のマイクロソフトEYE

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Windows 10の半期チャネル(SAC)リリースは、既定で年に2回、機能更新プログラムという名のアップグレードがあります。企業は適切に制御することで最大18カ月のサイクルに引き延ばすことができました。マイクロソフトは2018年9月初めにサポートポリシーに修正を加え、条件付きで2年ごとの更新サイクルを可能にしました。
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サポートポリシーが修正され、最大2年半の更新サイクルでWindows 10クライアントを運用できるようになった
(©Stuart Miles - Fotolia)

Windows 10の半期チャネル(SAC)について再確認

 Windows 10は当初、一般向けに「Current Branch(CB)」としてリリースされ、4カ月後に企業向けに「Current Branch for Business(CBB)」としてリリースされる、というサービスモデルで提供が始まりました。その後、これらは「半期チャネル(Semi-Annual Channel:SAC)」に統一され、Windows 10にこの名称が反映されたのはWindows 10バージョン1709からです。

 WindowsのUIやポリシーとしては、Windows Update for Business(WUfB)のポリシーのCBとCBBがそれぞれ、「Semi-Annual Channel(Targeted)/半期チャネル(ターゲット指定)」(バージョン1803の日本語表現は「半期チャネル(対象指定)」、SAC-Tと表現されることがあります)と「Semi-Annual Channel/半期チャネル」の更新チャネルの選択肢に置き換えられ、実際、Windows UpdateやWSUSによる配布のタイミングも従来から変更されなかったことから、半期チャネルに一本化されたのではなく、単なる名称変更ととらえた人が多数だったようです。

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 マイクロソフトとしては、Windows 10は半期チャネル向けにリリースされ、個人、企業に関係なく、準備ができた段階で展開できるということ意図していました。

 SACーTとSACの区別は、WUfBポリシーを使用して遅延制御するための対象化のオプション(パイロット展開用と全社展開用)という位置付けです。Windows 10バージョン1803からは、完全に新たなサービスモデルに移行しようとしていました。

 たとえば、Windows 10バージョン1709までは、WSUSへの機能更新プログラムの同期はWUfBポリシーでの「半期チャネル」向けのリリースと同時でしたが、Windows 10バージョン1803からは一般向けのリリースと同時でした。

 しかし、これが少なからず混乱を招いてしまい、次のようなアナウンスを発表するに至りました。

参考リンク:
Windows 10のサービスオプションとSAC-Tの終了について

 2018年10月2日(米国時間)には、最新のWindows 10 October 2018 Update(バージョン1809)がリリースされましたが、WSUS向けにも一般向けリリースと同時にWindows 10バージョン1809の機能更新プログラムが提供されました(注1)。WSUSやSystem Center Configuration Manager(配布ポイントはWSUS)を利用している企業は、SACやSAC-Tに縛られることなく(関係なく)、これらの機能で対象を限定してすぐにパイロット展開を開始でき、検証を終えたら全社展開に進むことができます(図1)。

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図1:WSUS環境では、SAC-TとSACとはまったく関係なく、その企業の判断で機能更新プログラムを展開できる(リリース日2018/10/03のWindows 10バージョン1809の機能更新プログラムはその後、撤回されました)(注1)
注1:リリース後、ユーザーファイル消失問題が報告され、数日後にはWindows Udpateによる機能更新プログラムの配布、インストールメディアの提供、およびWSUSへの機能更新プログラムへの提供は停止されました。この問題に関する経緯と今後の対応については、Windows 10 update history(https://support.microsoft.com/en-us/help/4464619)で確認してください。Windows 10バージョン1809は、修正版の機能更新プログラムとインストールメディアで再リリースされる予定です。

EnterpriseおよびEducationエディション向けの特例措置の延長と固定化

 Windows 10の半期チャネルの各機能更新バージョンには、原則として18カ月(1年半)の期間、品質更新プログラムの提供がサービスされます。Windows 10の導入をこれから始める、あるいはようやく進める企業にとって、Windows 7やWindows 8.1の最短でも10年サポート(メインストリーム5年+延長サポート5年)という長期にわたる品質更新サポートと比べると、あまりにも更新サイクルが短すぎます。

 そこで、Windows 10バージョン1511、1607、1703、1709では、Windows 10 EnterpriseおよびEducationエディションを限定として、品質更新プログラムの提供を6カ月間延長するという特例措置が行われました(Windows 10バージョン1511は既に延長期限が過ぎました)。

【次ページ】 半年の検証期間+2年ごとの更新サイクルでの運用が可能
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