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- 2024/10/03 掲載
売上3.8倍で今1番“アツい”Bリーグ、島田チェアマンに聞いた「絶好調の秘訣」とは
NBAに次ぐ「世界2位」のプロバスケリーグへ
10月3日の今日、Bリーグの新シーズンが始まる。パリオリンピックへの出場と強豪国との熱戦により、今シーズンにはさらなる注目が集まっている。そんなBリーグは、コロナ禍を経て急激な成長を見せている。2024年6月に発表された中期経営計画(2024年-2028年)によれば、2023-24シーズンの総入場者数は452万人、事業規模(売上)は580億円(見込み)。これはリーグ発足時の2016-17シーズンと比べ、入場者数で約2.0倍(224万人)、事業規模で約3.8倍(150億円)と絶好調だ(図)。なお目標としては、2028-2029シーズンでそれぞれ700万人、800億円を掲げている。
島田氏は「リーグの事業規模、リーグに参加するクラブの平均事業規模という観点では、米国(NBA)に次ぐ第2位の規模にまで成長してきたと言えます」と胸を張る。
特に今夏のパリオリンピックで注目度の高さはより一段と高まった。これまでの渡邊雄太選手・八村塁選手のNBA挑戦やFIBAバスケットボールワールドカップ2023での奮闘劇などを加えた一連の流れが、一種のバスケブームをもたらしている。島田氏は「今の状況は、長い年月で続いたバスケ界の努力の賜物です」と話す。
日本のバスケ界は、2つのトップリーグ(当時のNBLおよびbjリーグ)が併存していることを指摘されて、2014年11月に日本代表チームが国際試合への出場停止を命じられるなど、厳しい制裁を受けた過去がある。島田氏は「今の盛り上がりは、暗黒とも呼べる厳しい環境を経験し、長い年月をかけて努力を積み重ねてきたことにあります。これは今の世代の手柄ではなく、過去の世代からの努力の賜物です」と語る。
MIXIやセガサミーなど大手企業が“続々”参入
島田氏は、経営破綻寸前にまで追い込まれた千葉ジェッツを再建したことで知られる。その当時から、Bリーグ全体を考えた施策を実行してきた。「当時から言っていたのが、『クラブの成長なくしてリーグの発展なし、リーグの発展なくしてバスケ界の繁栄なし』ということです」と島田氏は話す。続けて、「各チームが成長し、バスケ界全体が成長すれば、シャワー効果でクラブにまた利益が還元されると考えてきました」と島田氏は述べ、「今、まさにその好循環の中にあります」とした。実際に、経営改革を進めるBリーグの各クラブには、大手企業によるM&A(合併・買収)が進んでいる。たとえば、仙台89ERSが霞が関キャピタル(2023年)、サンロッカーズ渋谷はセガサミーホールディングス(2022年)、千葉ジェッツがMIXI(2019年)など続々と参入しており、その業種は多種多様だ。2021年に将来構想「B.革新」の概要を発表する前も含めると、M&Aの件数は約20件に上るという。
そして昨今のBリーグでは、先述の通り、大手企業がM&Aなどで「自らリスクを取ってクラブオーナーとなるケースが出てきました」。これらの動きは、リーグそのものの価値、収益力が高まってきていることの証しだということができる。
ではなぜ、これだけ多くの大手企業が魅力に感じるBリーグになれたのだろうか。 【次ページ】躍進の秘密は?「売上未達で参戦できない」異例の新ルール
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