• 2025/02/27 掲載

若年層のインフレ予想、持続的に高まる可能性 政策運営で注視を=日銀論文

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Takahiko Wada

[東京 27日 ロイター] - 日銀は27日、家計の中長期インフレ予想のメカニズムに関する論文を公表し、物価上昇局面を経験した若年層のインフレ予想が持続的に高まる可能性があると指摘した。政策運営に当たって、若年層のインフレ経験が中長期のインフレ予想にどう影響するのか注視すべきだと述べた。

日本は1990年代半ば以降、デフレ・低インフレが長く続いたが、2021年後半から物価上昇局面に転じた。論文は生まれ年ごとの「生涯平均インフレ率」を示した上で、80年生まれや90年生まれは他の世代に比べて生涯平均インフレ率が低水準だが、90年以降に生まれた若年世代は21年以降の物価上昇局面を経て「特に生涯平均インフレ率が高まっている」とした。

論文は、生涯平均インフレ率が1%ポイント高まると、家計のインフレ予想が0.357%ポイント高まるとの推計を示した。その上で、90年代後半以降のデフレ・低インフレの長期化は、各世代が経験したインフレ率の低下を招き、インフレ予想の低迷を招いた可能性がある半面で「足元で特に若年層における過去経験が高まっていることは、当世代のインフレ予想の水準を持続的に高める可能性が考えられる」と指摘した。

物価が安定している時期には人々は物価動向に関心を寄せないが、物価の変動が大きくなると、物価動向に対し強い関心を寄せることにも触れ、「物価の変動が大きい時期は、家計が物価動向へ強い関心を寄せる結果、先行き予想が足元のインフレ実感に強く影響を受けることになる」とした。

足元ではコメ価格や生鮮野菜の高騰が続き、1月の全国消費者物価指数(CPI)では総合指数が前年比プラス4%となった。日銀は人々のインフレ予想に影響が及ぶのか、注視している。論文では、政策運営上の留意点として「インフレ実績の動向に加え、家計の物価動向への関心度合いや世代毎の経験の違いなど、予想形成に影響を与える諸要因についても確認していくことが重要だ」と指摘。特に若年層のインフレの経験が中長期のインフレ予想にどう影響していくのか注視していくことが重要だと述べた。

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