• 2024/11/11 掲載

市場安定の判断留保、利上げ急がず米大統領選後まで「見極め可能」=日銀10月会合主な意見

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Takahiko Wada

[東京 11日 ロイター] - 日銀が10月30―31日に開いた金融政策決定会合では、ある委員から、足元で米国の景気後退リスクの後退などから米金利上昇やドル高の動きが出てきているものの、市場が安定に向かっていると評価してよいかは留保が必要だとの指摘が出されていたことが明らかになった。この委員は、もともと日銀が緩やかなペースの利上げを想定している中で、米大統領選挙後の状況を含め「今後の展開を見ることはできる」と主張していた。

日銀が11日、決定会合で出された「主な意見」を公表した。日銀はこの会合で全員一致で政策金利の据え置きを決めた。決定会合では「内外における不確実性の高まりに鑑みると、金融政策運営をより慎重に行っていく必要がある」として、今回は金融政策は現状維持で良いとの意見が出ていた。

米国経済の不透明感が低下する中で「時間的余裕」という言葉で情報発信をしていく局面ではなくなりつつあるとの指摘も出ていた。こう指摘した委員は、引き続き様々な不確実性に留意すべき状況だが「今後は、毎回の会合でその時点のデータに基づきリスクや見通しの確度を点検していくことを伝えていくことが重要だ」と述べた。

決定会合後の記者会見で植田和男総裁は、米国経済の下振れリスクが後退したとして、政策判断に当たって「時間的な余裕はある」との表現を今後は使わないと説明していた。

いわゆる「金利のある世界」への移行には相応の不確実性があるため、この先の政策金利の引き上げは「時間をかけて慎重に行う必要がある」との声も出ていた。

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