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  • 2017/06/22 掲載

ツギクルとAIが問う「編集者の勘と経験はもういらない」のか

「ツギクル」の本づくりにおけるAI活用事例

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2015年に野村総合研究所が行った調査で「人工知能やロボット等による代替可能性が低い職業」とされている「雑誌編集者」と「図書編集者」。しかし、クリエイターが自身の作品を投稿できるWebサイト「ツギクル」を運営しているツギクルは、AIを活用して作品を編集している。編集者はもういらないのか。勘と経験はいらないのか。AIが本づくりに与える影響を考える。
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AIは編集者の仕事を奪うのか

「ツギクル」はAIで本を編集する!?

 ツギクルは、作家などを目指すクリエイターが自身の作品を投稿できるWebサイト「ツギクル」を運営している。

 投稿された作品は、投稿者が希望すればAIを使って分析され、ジャンルや作品の構成要素が表示されるほか、アクセス数などの人気指標でランキング化される。人気作品の中には、「ツギクルブックス」レーベルとして、書籍化されたものもある。

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書籍化された『カット&ペーストでこの世界を生きていく』(咲夜 著)
 ツギクルでは、AIの分析結果を、人気作品の書籍化の参考にするのはもちろんだが、書籍として刊行するまでの編集業務にも活用しているのだという。

 「ツギクル」に投稿されている小説作品の場合、テキスト解析エンジンが事前に学習したデータを基に、下記の項目について分析が行われ、スコア付けされる。

・小説作品に対する総評
・カテゴリーとの相性
・構成要素
・文章の読みやすさ
・文章の傾向
・文章の構造
・相性のよい作品に関する分析

 6月10日に刊行された『カット&ペーストでこの世界を生きていく』(咲夜 著)を例に、作品投稿時と、書籍刊行時の分析結果を比較してみよう。

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図1:作品投稿時のジャンル構成要素分析

 図1~2が、作品投稿時の分析結果だ。

 ジャンル構成要素分析を見ると、「ファンタジー、恋愛、SF」が約50%を占めている。ストーリー展開や世界観の設定において改善点があるかどうかの判断材料にすることができそうだ。

 文章構成分析結果を見ると、「句読点の間隔が長い」「改行までの文字数が多い」など、一文あたりの文字数が多く、読みやすさにおいて改善できそうな箇所が散見される。

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図2:作品投稿時の文章構成要素分析

【次ページ】編集者に「勘」はいらないのか

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