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  • 2017/07/20 掲載

ローソンが「RFIDタグ」と「ビッグデータ活用」から学んだ「本当に大切なこと」

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店舗数の減少、他業種との競争激化、人手不足。コンビニエンスストアをめぐる事業環境は時々刻々と変化している。この先も成長を続けるなら、大きく生産性を改善するほかない、とローソンは危機感を強める。そんなローソンが成長のカギとして期待をかけているのがRFIDタグだ。同社は、世界初のサプライチェーンプラットフォームを構築、ビッグデータ活用をさらに先へ進めようとしている。ローソン 執行役員 オープンイノベーションセンター センター長 経営戦略本部 副本部長 白石卓也氏がそのプロジェクトの全貌を明かした。
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ローソン
執行役員 オープンイノベーションセンター センター長
経営戦略本部 副本部長
白石卓也氏

コンビニ業界の今とローソン

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 コンビニエンスストア(以下、コンビニ)事業を取り巻く現在の状況はどうなっているのか。市場・社会環境としては、シニア層や共働き世帯、1人、2人世帯が増加するなどコンビニにとっては歓迎すべき変化がある一方で、単に汎用的なサービスではなくより地域に密着することも求められている。また、店舗数は近年、増加よりも減少傾向にある。

 業界そのものに着目すると、大手の寡占化が進み、これまで他のカテゴリにあった業種との競争も激化。加盟店という視点から見ると、多品種商品の取り扱いでオペレーションは高度化するのに、慢性的な人手不足状態で、働き手が多様化している。コンビニはこれらの変化を受け止めつつ成長を続けなければならない。白石氏は「コンビニは社会変化対応業」であるという(図1)。

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図1:コンビニは「社会変化対応業」だという

 それでは、今後どのように生き残っていくか。そのカギは「プラットフォーム」にあると同社は見ている。プラットフォーム構築によるビジネスモデルの再編こそが成長ドライバー。なぜなら、時価総額ランキングで上位に位置するアップルやグーグル、アマゾン、フェイスブックといった企業がプラットフォーマーとして成功しているからで、ローソンもそこに照準を定めている。

顧客行動の「想像の見える化」から「実体の見える化」へ

 このプラットフォーム構築に大きく関わっているのがビッグデータだ。コンビニにはさまざまな顧客がいて、そのさまざまな顧客も日によって多様な行動を取る。

 これまで、顧客を知るために活用できるのは主にPOSデータだった。しかし、POSデータは売れた商品のことしかわからない。たとえば、野菜ジュースを買った顧客は健康志向であると仮定しがちだ。これを白石氏は「想像の見える化」と呼ぶ。

 しかし、実際は他のジュースを買おうとしたのに棚になかったのかもしれないし、その日は二日酔いだったのかもしれない。本当の顧客の姿はPOSデータだけではわからない。これを、今まで取れなかったデータを取って「実体の見える化」へ移行するというのがローソンの目標だ。

 
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図2:取得したデータで実現したいこととは

 図2にあるように、データを取得して、店舗前を通行する人のうち何人入店したかがわかれば、入店率を算出でき、それを指標に来店施策を強化できる。また、入店した人のうち何人が棚前を通過したかがわかれば、棚前通過率を算出でき、これを指標に棚誘因施策を講じられる。つまり、データを集めることで、指標が生まれ、施策が推進しやすくなるというわけだ。

【次ページ】ビッグデータ活用でローソンが気づいた「本当に大切なこと」
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