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2017年05月19日

SD-WANに注目すべき理由をガートナーが解説、既存ネットワークはもう限界だ

企業ネットワークが、大きく変わってきている。モバイル/クラウド利用の拡大に伴って、かつての社内システムのための通信環境から、社内外のさまざまなサービスや従業員、パートナー、顧客をつなぐ、ビジネス情報の最重要インフラへと急速に進化を遂げているのだ。このネットワークの一大変革期を企業はどのように乗り越え、新たなネットワーク活用の道を探るべきなのか。その答えの1つとなりそうなのが「SD-WAN」だ。ガートナー リサーチ部門 バイス プレジデントの池田武史氏が解説する。

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モバイルやクラウドが進展するとネットワークの問題はさらに深刻化する

(© chombosan – Fotolia)

※本記事は、「ガートナーITインフラストラクチャ&データセンターサミット2017」の講演内容をもとに再構成したものです。

既存のネットワークは、もうビジネスに追いつけなくなる

 結論から先に言うと、ほとんどの企業ネットワークは、この数年内に根本から再構築しないといけなくなるだろう。今あるネットワークは、おそらく今後の社会やビジネスのトレンドに太刀打ちできなくなるからだ。

 そこでまず、「企業ネットワークに今何が起きているのか?」をデータから見ていこう。ここで変化のキーとなるのは、言うまでもなくモバイル/クラウドだ。ガートナーの2017年2月の調査では、すでに2割を超える企業で「ネットワークがモバイル/クラウドの影響を(予測も含め)受け始めている」という回答が得られている。

 以下は、具体的な「影響」の上位1〜4位だ。

  1. インターネット接続の増速が必要になっている
  2. メールやスケジューラのアプリはパブリック・クラウドを利用している
  3. インターネット接続の費用が年々増えてきている
  4. スマートフォン、タブレット端末の通信費用が年々増えてきている

 要約すれば、クラウドに対するビジネス・インフラの依存度が高まり、それを利用する端末のモバイル化も年々進んでいる。同時に通信速度の向上や通信費などの投資コストも、今後は確実に増えていくということだ。

 今度は、運用する側に目を転じてみよう。企業内ネットワーク担当者やデータセンターの目下の課題を見てみると、「自動化」、「アウトソーシング」、「高速化」といったキーワードが目立つ。中でもネットワーク機器の設定は、モバイル端末の急増で、もはや人手では追いつかなくなっている。この結果、「ネットワーク機器の設定作業の自動化」を最優先事項とする声が4割も出ている。

 だが、いまさらこうした事実に驚いているのでは遅すぎる。これからもネットワークのトラフィックやコストは確実に増えていく。この「もはや当たり前の事態」を私たちはどう受け止めていけばよいのだろうか。

「社内外からあらゆる情報を活用できる仕組み」が必須

 次世代の企業ネットワークは、ハードウェアやソフトウェアの機能を強化するといったレベルでは実現できない。システム構築にかかる前に、企業ネットワークのあり方そのものを、もう一度考えてみる必要がある。

 まず、これまでの=現状の企業ネットワークだ。これは長らく「従業員向けの社内の作業にフォーカスした情報システム」として作られてきた。事務作業や計数処理など、いつも同じ場所で決まった作業をする従業員が主なユーザーで、インターネットの利用も電子メールやWebサイトの閲覧が中心だ。セキュリティの面でも、社内の人だけだから安全という「性善説ネットワーク」が前提になっている。

 では、モバイル/クラウド時代の企業ネットワークはどうだろうか。ここでは、もはや社内で完結した「顔見知りだけの安全なネットワーク」は許されない。社外の顧客やパートナーとも密接にコミュニケーションを行うと同時に、ファイル共有やスケジュール管理、売上、顧客、人事などあらゆる分野のサービスを、モバイル/クラウド環境上で社内外からシームレスに利用できる必要がある。

 在宅勤務の拡がりなど、従業員のワークスタイルも多様化する中で、もはや社内であるか社外であるかは問題にならない。いつでも、どこでも、ビジネスのあらゆるリソースに迅速にリーチできる情報システムが求められているのだ。

 上記の「いつでも、どこでも……」に加えて、もう2つだけキーワードを挙げておこう。「セキュリティ」と「自動化」だ。社内外に開かれたネットワークである以上、セキュリティもこれまでとは格段に強化しなければならない。

 また、社内外にまたがって高速かつ大量に行き交うデータトラフィックをうまく扱えるネットワークが必要になる。だが柔軟かつ迅速に、多様性に適応できるネットワーク管理となると、もはや複雑すぎて人間では対応しきれない。

 ビジネスの「守り」から「攻め」のネットワークへの転換を図る上でも、これまでの常識や前提が通用しないことを認識して、自動化のためのビジョンとプラン作りを急ぐ危機感が必要だ。

【次ページ】なぜSD-WANに注目すべきか?しのぎを削る新旧ベンダー5社とは

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