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2017年05月11日

運用付きホスティングサービス16社をガートナーが比較、AWSやAzure併用に最適なのは?

サーバ/ストレージやネットワークなどのIT資源を、クラウド技術と運用管理サービスを組み合わせて提供するサービスが「クラウド対応マネージドホスティング(Cloud Enabled Managed Hosting: CEMH)である。既存の基幹システムの運用にも向いているため、企業にも馴染みが深い。自社に適したCEMHを選定するポイントを、ベンダーを4象限に分類したマジック・クアドラント(MQ)を基にガートナー リサーチ部門 バイスプレジデントの田崎堅志氏が解説する。

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クラウド対応マネージドホスティング(CEMH)はどう選べばよいのか

※本記事は、「ガートナーITインフラストラクチャ&データセンターサミット2017」の講演内容をもとに再構成したものです。

クラウド対応マネージドホスティングの選定ポイントは3つ

 クラウド技術をベースに、運用管理サービスをセットにしたホスティングサービスがある。クラウド対応マネージドホスティング(CEMH)と呼ぶサービスである。ユーザー企業のITシステムを対象に、OSのパッチ管理やストレージ/ネットワーク管理、セキュリティなど幅広い分野で運用サービスを提供する。

 CEMHが対象とするシステムは幅広い。ECサイトなどの社外向けシステムだけでなく、社内の基幹業務アプリケーションも対象とする。提供形態もさまざまで、クラウドだけでなくオンプレミスも対象になる。このため、現在稼働している業務システムとの親和性が高い。

 本記事の結論として、CEMHの選定に当たって押さえるべきポイントは、以下の3つである。

  1. パブリッククラウドや旧来のデータセンター・アウトソーシングと混同しない
  2. マジック・クアドラントを使い、サービス事業者の全体像を把握する。個々の事業者のメリット/デメリットを確認し、自社に適した事業者を選ぶ
  3. APAC(アジア太平洋地域)における自社の事業戦略を踏まえた上で事業者を選ぶ

 以後は、3つの論点でCEMHについて解説する。

  1. クラウド対応マネージド・ホスティングとはどのようなものか
  2. アジア太平洋地域にはどのような事業者がいるのか
  3. ユーザー企業が注意すべき点は何か

IaaSとの違いは運用管理サービスが付くこと

 CEMHは、AWSやAzureなどのIaaS型パブリッククラウドや、旧来のデータセンター型アウトソーシングとは異なるサービスである。聞き慣れない言葉だが、実は日本の事業者が提供しているクラウドサービスの多くはCEMHである。

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(クリックで拡大)

クラウド対応マネージド・ホスティング(CEMH)は、マネージド・ホスティングともパブリックIaaSとも異なる

(出典:ガートナー)


 クラウド技術の基本的な要素は5つある。標準化(カスタマイズしないで使う)、自動化(運用の自動化)、スケーラブル(性能や容量の拡張性)、オンデマンド(必要に応じて資源を調達)、従量課金(使った分だけ支払う)である。

 IaaS型パブリッククラウドは、これらの5つの要素すべてを備える。さらにこの上で、ユーザー企業みずからWebポータルを介してセルフサービス型でIT資源を調達できる。

 CEMHも5つの要素に準じるが、自動化やスケーラビリティについてはIaaS型パブリッククラウドほどには重視しない。課金形態も従量課金とは異なる。

 CEMHの一番の特徴は、IT資源の運用管理サービスをセットにして提供することである。これに対してIaaS型パブリッククラウドでは、原則として運用管理は自社でまかなう。

アウトソーシングとの違いは運用サービスが標準メニュー化されていること

 運用管理サービスを提供する点では、データセンターを利用した旧来のアウトソーシングサービスに通じる。しかし、CEMHはアウトソーシングとも異なっている。

 アウトソーシングと比べたCEMHの一番の違いは、運用管理サービスを標準化していることである。「運用管理というサービスを素早く調達する」という目的に適っている。

 具体的には、運用管理サービスをメニュー化している。サービスの範囲や内容を事前に定義していて、価格も決めている。さらにSLA(サービスレベル契約)を規定している。

マジック・クアドラントは事業者の全体像を可視化できるツール

 CEMHの事業者の選定に当たっては、どのような事業者がいるのかを把握することが大切である。機能や価格、シェアの高さといった要素も重要だが、長期的に利用する場合には、パートナとして適しているかを調べる。

 ガートナーでは、事業者の全体像を俯瞰するツールとしてマジック・クアドラント(MQ)を使う。MQは、ビジョンの完全性(マーケティング戦略など8項目)を横軸に、実行能力(製品/サービスの機能、品質など7項目)を縦軸にとって、事業者を4象限に分類する。

(a)リーダーは、市場の方向性をリードする力を持つと同時に、実行能力が高い。
(b)概念先行型は、市場の方向性を見通す力があるが、ビジョンを実現する能力は限定的である。
(c)チャレンジャーは、実行能力は高いが、市場ニーズの把握やビジョンの明確さは限定的である。
(d)特定市場指向型は、特定領域における実行能力は高いが、特定領域以外では市場の方向性を見通す力は限定的である。

 自社に適しているかどうかが重要であって、必ずしもリーダーが適しているとは限らない。実行能力が高いということは、大企業の顧客を数多く抱えていることを意味している。こうした事業者は、問題が起こった際には大企業を優先する。

 ビジョンも実行力も低い特定市場志向型の事業者が最適な場合もある。規模が小さい事業者なら、自社に寄り添ってサポートしてくれる可能性がある。特定の地域に注力している事業者を選ぶことで、その地域において品質の高いサービスを得られる可能性がある。

【次ページ】クラウド対応マネージド・ホスティング16社をマッピング

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