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- 2016/07/01 掲載
「プラットフォーム」と「ビジネスモデル」を制する者が「IoT」を制す
ダッソー・システムズが指南
製造業も「プラットフォーム」を持たなければ勝てない時代
ダッソーシステムズ(以下、ダッソー)の「3DEXPERIENCE FORUM Japan 2016」に登場した鍛冶屋 清二氏は、同社が現在注力している「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」について紹介した。3Dエクスペリエンス・プラットフォームは、3次元CADの「CATIA」や、グローバルPLMソリューションの「ENOVIA」など、同社のすべてのブランド製品を内包し、クラウド上で利用できるプラットフォームである。
例えば、太陽電池だけで世界一周を目指すスイスの有人飛行機「ソーラーインパルス2」(注1)は、アラブ首長国連邦を起点にユーラシア大陸に渡り、太平洋を経由してサンフランシスコまで行き着いた。今後のエコモデルを示す飛行機として注目を浴びているが、機体は3Dエクスペリエンス・プラットフォームを使って設計されたものだ。
(注1)同機は6月11日、米ニューヨークに着陸し、アメリカ横断区間を無事に完了した。次の目的地は、フランス、スペイン、モロッコのいずれかになるという。
また日本国内では、ベンチャーのexiiiが、ダッソーのハイエンド3次元CADソフトウェア・CATIAを導入し、新しい義手を開発。3Dプリンタと3Dエクスペリエンス・プラットフォームを活用することで、わずか数万円程度の原材料費で作った義手を届けている。しかもオープンソースで設計データを公開し、世界中で作れるようになった。
ダッソーでは、パリに「3DEXPERIENCE Lab」を立ち上げ、ユーザーなら誰でも使える環境を提供し、世界中の企業家やメーカーズを支援している。日本ではexiiiが、この3DEXPERIENCE Labの初のメンバーとなって活躍しているそうだ。
「世の中を変えたり、社会貢献をするであろうシステムや、アイデアを持った企業家たちを支援していくために、我々は惜しみない投資をしている」(鍛冶屋氏)
「我々はプラットフォームについて真剣に考えている。次世代プラットフォームにより、世界中の企業や取引先とつなぎ、社内の設計と生産環境をつないでいく。リアルとバーチャルを、すべて同じ3Dエクスペリエンス・プラットフォーム上でコネクトし、監視・診断・予測できるデジタルモデル『バーチャル・ツイン』も開発中だ。これによって、たとえ設計変更が起きて、各部門に影響を与える場合でも、うまく同期をとって生産を進められるだろう」(鍛冶屋氏)
【次ページ】テスラの持つ「プラットフォーム」と「ビジネスモデル」
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