ブランド・ジャパンは、日経BPコンサルティングが中心となって、国内で使用されているさまざまなブランドを、消費者とビジネスパーソンがそれぞれ評価するブランド評価調査プロジェクト。2001年に調査を開始し、今年で15回目を迎える。

　消費者の想起調査から、BtoC分野では1000ブランドを、BtoBブランドを500ブランドを選定し、3.5万人のモニター調査に基づいて、ブランドを評価する。特徴として、企業名だけでなく、商品名も対象にすること、5段階評価などではなく、イエスノーだけで調査を実施することなどが挙げられる。

　2015年度の調査では、BtoCブランドでセブン-イレブン・ジャパンがコンビニエンスストアとして初の1位に輝くとともに、BtoBブランドでトヨタが4年連続の1位に輝いた。なお、セブン-イレブンはBtoBブランドとしても2位だった。

　今回は15周年を記念して、「Brand Japan 15th Anniversary Awards」を開催。過去5年間の再調査をもとに、もっとも飛躍したブランドや常に成長を続けているブランドを表彰した。

　その中で最優秀賞を受賞したのは、セブン-イレブン・ジャパンだった。ブランド・ジャパンの企画委員長をつとめる、一橋大学 大学院国際企業戦略研究科の阿久津 聡 教授は、セブン-イレブンについて「（4年連続BtoB分野で首位だった）トヨタと違って、セブン-イレブンは決してランキング上位の常連ではなかった。しかし、地道に、しっかりとしたブランド経営を行い、広くブランドが浸透した結果、満を持しての首位獲得だった」と評価した。

　実際、2011年に24位だったが、2012年には36位に、2013年には22位、2014年には11位で、今回初の1位となった。BtoCの調査では、大きく「フレンドリー（親しみやすい）」「イノベーティブ（革新的）」「コンビニエント（便利）」「アウトスタンディング（際立っている）」の4つの指標で評価しているが、コンビニエントで1位、フレンドリーで4位、イノベーティブで15位、アウトスタンディングで27位となった。


　阿久津教授は、企業がブランドを強化していくためのキーワードは大きく変わらないと指摘。1つめは高次の理念（思い）があること、もう1つは価値の協創が行われていること。特に昨今では社員へのブランディング「インナーブランディング」の取り組みが重要性を増していると指摘した。

　受賞した各社もコメントを発表。最優秀賞を受賞したセブン-イレブン・ジャパン 代表取締役社長 最高執行責任者（COO） 井阪 隆一 氏は、「今回の賞は、本部でいくら叫んでもいただけない賞。1万7500店あまりの加盟店のオーナーさまやそこで働く35万人の従業員さま、さらにお店を支えてくれているサプライチェーンの約5万人、全40万人の力でいただけた。40万人が1つのコンセプトをお客さまにPRできるように、コミュニケーションをどれだけ密に図ることができるかが唯一のポイントだった」とした。


　さらに優秀賞として、アップル、カルビー、グーグル、ハーゲンダッツ、ユー・エス・ジェイ（USJ）が輝いた。