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2010年のIT予算は、8.1%削減となった2009年よりは増加するものの基本的に横ばいで、世界の増加率は荷重平均で1.3%になる見通しとなった。米ガートナーのエグゼクティブプログラム(EXP)の調査によれば、2009年度まで5年連続でビジネス課題1位になっていたビジネスインテリジェンス(BI)は5位に後退するなど、大幅な変化があった。
2010年のIT予算はほぼ横ばい、生産性を高める戦略へと転換
2010年のIT予算は、8.1%削減となった2009年よりは増加するものの基本的に横ばいで、世界の増加率は荷重平均で1.3%になる見通しとなった。米ガートナーのエグゼクティブプログラム(EXP)が、41か国27業界にのぼる1,586名のCIOに対して、2009年9月から12月にかけて行った調査で明らかになった。
同社が1999年に調査を開始して以来、2009年は、IT部門にとって最も厳しい年となった。CIOは、過去4年間の予算増加分が帳消しになるほどの予算削減を強いられ、2005年と同水準のリソースでの対応を余儀なくされたという。同調査では、2010年の見通しについてはやや回復基調にあるものの、昨年度の予算削減分を補うほどではないという。
「民間・公共部門のCIOにとって、2009年は最も厳しい年でした。予算削減を迫られ、支出が制約され、限られたリソースで需要の増大に対応しなければなりませんでした。ただしこの状況は、2010年には変わり始めるものと思われます。景気は後退から回復基調へと転じ、企業も、コスト削減によって効率化を図る戦略から、価値の創造によって生産性を高める戦略へと転換するでしょう。」(米ガートナー グループバイスプレジデントマーク・マクドナルド氏)
また、マクドナルド氏は、「重量な(Heavy)」所有型のソリューションから、「軽量な(lighter-weight)」利用型サービスへとテクノロジーは移行しており、CIOに求められる役割は、単にITのリソースを管理するだけでなく、成果の達成に責任を持つことも重要だとの認識を持つようになってきていると指摘する。
「こうしたパラダイムシフトは、企業全体およびIT部門にとって、自身の位置を再確認し、景気後退時に導入された厳しい是正措置を生かす機会となります。CIOは、2010年には、ITが単なるサポート機能から、革新と競争優位性を目指す戦略の重要な要素へと変革する動きがさらに加速するものと考えています。CIOはこの変革を長年望んできましたが、経済的、戦略的、そして技術的変化によって、最近ようやくそれが実現可能になったのです」(マクドナルド氏)
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