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ビジネスに最適なカラーレーザープリンターはどれだ? 人気のモデルを徹底比較
前ページでは、ジェットインテリジェンスについて解説した。この新技術を搭載したHP Ent Color M552dnが、より具体的にどう進化したのか? 比較対象に同価格帯の競合モデルとしてEPSONの「ビジネスプリンター LP-S950」(以下、LP-S950)をピックアップし、その違いを比較した。メーカー名 | 日本ヒューレットパッカード | エプソン |
製品名 | LJ Ent Color M552dn | LP-S950 |
プリント解像度 | 最高1200×1200dpi | 最高1200×1200dpi |
プリント速度 | カラー33枚/分 モノクロ33枚/分 | カラー31枚/分 モノクロ31枚/分 |
ファースト プリント時間 |
カラーA4:7秒以下 モノクロA4:6秒以下 |
カラーA4:12.4秒以下 モノクロA4:12.4秒以下 |
給紙トレイ(容量) | 標準給紙トレイ:550枚 多目的トレイ:100枚 |
用紙カセット:250秒以下 MPトレイ:100枚 |
排紙トレイ(容量) | フェースダウン:250枚 | フェースダウン:200枚 |
一枚辺りの印刷コスト | モノクロ約2.34円 カラー14.6円 |
モノクロ約3.00円 カラー12.4円 |
インターフェイス | 有線LAN、USB(デバイス、ホスト) | 有線LAN、USB |
重量 | 27.5kg | 28.3kg |
印刷料 | 36万ページ または5年 | 40万ページ または5年 |
消耗部品 | フューザーキット:約150,000ページ/ 23,300円 トナーコレクションユニット: 約54,000ページ/ 2,200円 |
フューザーキット:約100,000ページ/ 35,3000円 廃トナーボックス: 約45,000ページ/ 3,000円 |
修理対応時間 | 標準保証期間:1年 3年:39,600円 4年:59,400円 5年:79,200円 延長1年:22,200円 |
標準保証期間:6カ月 3年:63,000円 4年:78,000円 5年:88,000円 延長1年:28,000円 |
本体価格 | 118,000円、89,328円(価格.com) | 99,980円、83,512円(価格.com) |
スタータートナー容量 | モノクロ:6,000枚 カラー:5,000枚 |
モノクロ:2,000枚 カラー:2,000枚 |
消耗品ページ容量 |
モノクロ(通常):6,000枚(19,800円) カラー(通常):5,000枚(25,000円) モノクロ(大容量):12,500枚(26,800円) カラー(通常):9,000枚(38,800円) |
モノクロ(通常):7,300枚(20,000円) カラー(通常):8,800枚(24,200円) モノクロ(2本パック):37,200枚 モノクロ(ドラム):30,000枚(26,000円) カラー(ドラム):30,000枚(26,000円) |
まずはHP Ent Color M552dnのスペックなどをざっと紹介しよう。本体のサイズは、すべて閉じた状態で458(幅)×479(奥行き)×399(高さ)ミリで重さは約27.5kgとなる。さすがに27.5kgとなると、成人男性ひとりで設置というのは無理がある。最低でも2人での設置作業となるだろう。なおLP-S950は、444(幅)×544(奥行き)×350(高さ)ミリで重さは約28.3kg、HP Ent Color M552dnのほぼスクェアに対し、LP-S950は、直方体といった感じだ。両者を同じように設置したとしても、LP-S950のほうが手前に65ミリ飛び出す形になる。
ビジネスに最適なカラーレーザープリンター徹底比較1:メンテナンス性
まずは本体のトナーの位置、廃トナータンクの着脱、紙詰まり時のアクセスなど、メンテナンスがしやすいかについて比較してみよう。ほぼスクエアデザインのHP Ent Color M552dnは、トナー部分が手前に大きく開く、そして右側の紙送り部分も大きく開く構造になっており、トナーの交換、紙詰まり時のアクセスなどが楽に行えるようになっている。トナー交換は、感光ドラムなどのユニットごとの交換になっているので非常に楽だ。比較1:メンテナンス性
LP-S950も、本体手前側にトナー関連、右側に紙送り機構とレイアウトは同じだ。ただし、トナーに関しては、感光ユニットとトナーボックスが別体型になっている。トナーが無くなったら、トナーボックスのみを交換、感光ユニットは、寿命が来たら交換といった形になっている。セットアップ時点で構造を理解していれば良いが、これを知らないとユニットを取り外して交換すると勘違いしてしまうケースもあるだろう。そうなるとトナー交換にもたついてしまうかもしれない。
前述したようにHP Ent Color M552dnは、スタータートナーでモノクロなら6000枚、カラーなら5000枚の印刷が可能だ。いっぽうLP-S950は、モノクロが2000枚、カラーが2000枚となっている。モノクロで1/3、カラーで1/2.5という印刷枚数の差は大きいと言える。
コストで言うとHP Ent Color M552dnではモノクロが約2.34円/枚、カラーが約14.6円/枚、LP-S950はモノクロが約3.0円/枚、カラーが12.4円/枚となる。カラー印刷のコストはEPSONに譲るがビジネス文書に多いモノクロ印刷では、HPに分があると言えるだろう。
ビジネスに最適なカラーレーザープリンター徹底比較2:給紙能力
ビジネスで使う場合、用紙は大量にセットできるほうが好ましい。100枚しか入らない給紙トレイでは、あっという間に用紙エラーで印刷が止まってしまう。これも業務効率を落としてしまう原因になる。最低でも普通紙の束(500枚)は欲しい。2機種の給紙トレイを比較すると、HP Ent Color M552dnは標準で550枚、LP-S950は250枚しかセットできない。HP Ent Color M552dnは標準のまま業務利用に耐えるが、LP-S950の場合、快適に運用するためにはオプションの増設ユニットは必須と言えるだろう。比較2:給紙能力
給紙トレイから吸い上げられた用紙は標準ではフェイスダウンで排紙トレイに排紙される。HP Ent Color M552dnは250枚まで、LP-S950は200枚まで溜めておくことができる。
ビジネスに最適なカラーレーザープリンター徹底比較3:印刷スピード比較
続いて、業務効率に直結する印刷速度を比較してみよう。HP Ent Color M552dnのプリンターエンジンは、印刷解像度1200×1200dpi、印刷速度は、モノクロ/カラー共に33枚/分となる。LP-S950はモノクロ/カラー共に31枚/分となっている。HP Ent Color M552dnのほうが毎分2枚ほど高速だ。60を33で割ると、約1.8、60を31で割ると約1.94となり、HP Ent Color M552dnは1.8秒で1ページ印刷、LP-S950は1.94秒で1ページ印刷という計算になる。比較3:印刷スピード比較
0.14秒の違いを体感できるか? となると難しいだろう。10ページ印刷で1.4秒、30ページ印刷で約5.2秒の差が出てきて初めて体感できる違いになる。毎回、数十ページも印刷するわけではないので、この差は日々の業務では、あまりメリットを感じない部分だ。
しかし、PCで印刷を開始してから、1ページが出てくる時間が早いとしたらどうだろう? およそのビジネス文書は、ペラ1枚がほとんどで、多くてもA4用紙2~3ページがいいところだ。この印刷が速いのもHP Ent Color M552dnの特長なのだ。
具体的にはA4カラー印刷のファーストプリントは7秒以下、モノクロでは6秒以下だ。LP-S950のファーストプリントは、同じくA4でカラー/モノクロとも12.4秒となっている。1ページの印刷で、カラーで5.4秒、モノクロで6.4秒の違いがある。この違いは多用する1ページ印刷で発揮されるため、日々の業務で“HP Ent Color M552dnは速い”と体感することができるだろう。これもジェットインテリジェンスのおかげであると言えるだろう。
以上、3つのポイントの比較から、HP Ent Color M552dnが高い性能を持つことが分かったはずだ。前述の「使い勝手の良さ」と合わせ、パフォーマンスも兼ね備えた本製品は、ビジネス向けのA4カラーレーザーの有望な選択肢のひとつに躍り出てきたと言っていい。速さの違いやメンテナンス性の違いが、待ち行列や立ったまま印刷終了を待つ時間の短縮になり、最終的には目に見えないコストの削減オフィスの生産性向上につながる。日本の大手メーカー製プリンターだけでなく、新しいHPのカラーレーザーも、選択の候補に必ず入れておくことをお勧めしたい。