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本記事は『戸田 覚が東芝「dynabook R82」の使い勝手を徹底レビュー(前編)』の続きです。
戸田 覚(とだ さとる)
1963年生まれ。ビジネス書作家として、著書は累計で140冊を超える。PCやタブレットへの造詣も深く、徹底したユーザー視点、辛口の評価で多くのファンを獲得している。著書に『あのヒット商品のナマ企画書が見たい』(ダイヤモンド社)など。
今だからこそPCに求められるのが生産性
いつでもポケットに入っているスマホでも、ある程度の情報は閲覧できる。メールを見たりニュースをチェックするなら、ほぼ満足できるだろう。
こんな時代になったからこそ、PCには生産性の高さを求めたい。情報を閲覧するだけならスマホやタブレットでもこと足りる。だからこそ、PCを使うからには、キーボードが使いやすくなければ満足できないのだ。
dynabook R82のキーボードで感心したのは、ストロークを1.5ミリ確保していることだ。薄型ノートの多くが1.2ミリのストロークで妥協しているなか、実用性を重視して選んだスペックだ。
ストロークとは、キーを押し下げる深さのこと。ストロークを浅くすれば、本体を薄く、スタイリッシュに設計できる。だが、1.2ミリストロークではどんなに頑張っても、1.5ミリストロークの打ち心地にはかなわない。だからこそ、目先の薄さよりも打ちやすさを重視したのだろう。モバイルノートPCとしては、1.5ミリは本体のスリムさと打ちやすさを両立する最適値だと思っている。一度このキーボードを打ち慣れてしまうと、浅いストロークでは打ちづらく感じるだろう。
カタログを見ていてもあまり気づかない部分だが、仕事で使うPCとしては、生産性に直結するだけに絶対に見逃せない重要なスペックだ。
ちなみに、dynabook KIRAシリーズは、軽さだけにこだわらずに使い勝手も両立した良いモバイルノートPCで僕自信も長年使い続けている。dynabook R82のキーボードはKIRAシリーズとストロークが同じで、打ち心地もかなり近い。本気で書類を作成したり、長文のメールを打ちたいなら、実機をタイプして、打ちやすさをチェックするべきだ。
アキュポイントも搭載する
キーボード部分をよく見ると、通常のタッチパッドに加えて、「アキュポイント」と呼ばれるスティックタイプのポインティングデバイスが搭載されている。
アキュポイントは東芝が昔からこだわって開発しており、ボタンに力を加えることでマウスポインターが動く仕組みだ。2つのポインティングデバイスが搭載されているので好きな方を使える。
ここで注目したいのが、アキュポイントにはクリックボタンが付いていることだ。ボタンとパッドが一体になっているタッチパッドでは、片手でのドラッグ操作が非常に辛い。dynabook R82なら、ドラッグの際にはアキュポイントを使うという使い分けもできる。
キーが省略されていないことにも注目しておきたい。2in1モデルやキーボード付きタブレットの中には、一部のキーを略している製品も目に付く。例えば、「PrintScreenキー」を省略している機種もある。業務用のアプリを導入した際に、「伝票の印刷はPrintScreenを押すだけ」といった割り当てがされていると困ってしまう。
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