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長寿化する現代人には60年間のキャリアプランが必要
グラットン氏によると、先進国の間では長寿化が進んでおり、英国でも早晩平均寿命が100歳を超えるだろうという予測が出ている。こうなると、少なくとも20~80歳までの60年は働く計画を立てないと、各国が採用する現在の年金システムは崩壊すると警告している。
相澤氏もこの予測に興味を抱き、古今東西の社会事情をくまなく調査した。
「その結果、いずれの国のいずれの時代でも、当時の平均寿命のおよそ6割が労働時代に当てられていました。たとえば江戸時代でいえば、平均寿命は50歳。15歳で丁稚として家を出て働き、45歳に隠居するのが一般的で、この30年間の労働時代は、50年の人生のちょうど6割にあたります。100歳の人生で60年働くというグラットン氏の描く未来図は、論理的に非常に正しいと思います」
つまり、私たちには60年間のキャリアプランが求められている。しかし、事業環境変化の激しい現代、会社の寿命はどんどん短くなっている。ある会社に新卒で入って定年まで勤めあげ、あとは悠悠自適という人生モデルはもう通用しない。そろそろ根本的かつ自発的に働き方を変革する努力を始めるべきである、と相澤氏は語る。
相澤氏自身、メインの肩書は経営コンサルティング会社TSUNAGU・パートナーズの代表だが、金融機関の社外取締役も務めれば、コンビニエンスストア企業のアドバイザーも務めている。経営大学院で教鞭もとれば、仲間とベンチャー企業も立ち上げている。
「これも新しい働き方の一つではないでしょうか。長いキャリアプランを自分で描く時代が来ていると言えます」
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