板倉陽一郎弁護士が解説、改正個人情報保護法で日本はEUの十分性認定を受けられるのか
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改正個人情報保護法では、要配慮個人情報や匿名加工情報の規定が新設される
今回の改正個人情報保護法のポイントは、6つ挙げられる。順番に、1.個人情報の定義を明確化したこと、2.適切な規律の下で個人情報等の有用性を確保すること、3.個人情報の保護を強化すること、4.個人情報保護委員会の新設し、現行の主務大臣の権限を一元化すること、5.個人情報の取り扱いのグローバル化を図ること、6.その他の改正事項を考慮することだ。
このうち、1つめの個人情報の定義の明確化について、板倉氏は「今回の改正法では個人情報として個人識別符号が含まれるので、実質的には定義の拡張とも受け取れるが、政府はあくまで明確化だと整理している。そうすると、個人識別符号については、今でも個人情報として扱っていなければならない、ということ」と説明する。
個人識別符号では、第一号個人識別符号と第二号個人識別符号が指定されている。第一号は身体の特徴の一部をデータ化したもので、指紋やDNA、顔、歩容(歩く時の特徴)、声紋、手の平や指などの静脈などが相当し、第二号はいわゆる番号で、マイナンバーや保険証番号、基礎年金番号などが相当する。さらに内容が解釈によるところが大きい第一号個人識別符号については、ガイドライン・Q&Aで明確化されることになる。
また今回の改正法では、要配慮個人情報の規定が新設される。
「いわゆる機微情報で、人種や信条、病歴などが相当し、2018年5月から施行予定のEU一般データ保護規則(十分性認定)でも特別な種類のデータ(special categories of data)として定義されている。これまで日本では取得に同意が不要だったが、要配慮個人情報についてはこれが必要になり、またオプトアウトによる第三者提供をすることはできない、というのが要配慮個人情報に対する規制だ」
さらには匿名加工情報の規定も新設される。
「匿名加工情報は、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工した情報を指し、作成して、提供する場合には、公表義務などがかかる。実際に作成する場合、かなり詳細に匿名加工基準を見ていく必要がある。ただ現時点では規則の方向性がまったく出ておらず、私も注目している」
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