縦割りCRMから脱却して真のCRMへ、日本の強みを最大限に発揮できる企業が生き残る
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顧客との関係を育てねばならない時代、企業のCRMはどうあるべきか
それでは、今月、ある顧客が“御社”に合計何回コンタクトを取ったかご存じだろうか。もし即座に答えられないとしたら、どうも古い縦割り主義のCRMの発想から脱却できていないようだ。
「厳しいようですが、SFAやコールセンターなど一部の業務に特化した使い方では、CRMを十分に活用しているとはいえません」と指摘するのが、HCLジャパン ITサービス事業本部 ディレクター 松原 晋啓氏だ。
アクセンチュア、マイクロソフトを経てHCLジャパンに参画した同氏は、長きにわたり一貫してCRMに携わってきた。日本で初めてMicrosoft Dynamics CRMを導入し、日本人初の「Microsoft MVP for Dynamics CRM」を受賞した人物でもある。Microsoft Dynamics CRMのエンタープライズ組織立上げに伴いマイクロソフトに入社、プラットフォーム型CRM戦略のxRMを推進し、数多くのソリューションを生み出すなど、5年以上マイクロソフトで同製品を販売する立場にいた松原氏は「日本市場にこの製品の思想を本当に理解してもらうためには、導入プロセスから変革しなければ、と思ってHCLジャパンへ来た」と語る。
また、松原氏は、日本では“過去の栄光”といえる古いマーケティング手法を引きずっている企業も多いと嘆く。1960~70年代の高度成長期、モノは作れば売れた。プロダクトアウトの発想でマス・マーケティングを展開すればいくらでも収益は稼げた。しかし、今はもうそのような時代ではないというのだ。
企業が顧客の声に真摯に耳を傾け、顧客ニーズに合わせたモノやサービスを作り、顧客の要望に合わせて提供する。マーケットインへ頭を切り替えることが、企業生き残りの鍵となっている。なのに、そこに到達できている日本企業はまだまだ少ないという。
「マーケティングは、マス・マーケティング⇒ターゲット・マーケティング⇒ワン・トゥ・ワン・マーケティング⇒リレーションシップ・マーケティングへと進化しています。しかし、日本企業の多くはこの進化にキャッチアップできていません。マーケティング先進企業といわれる企業でも、ターゲット・マーケティングとワン・トゥ・ワン・マーケティングの間くらいの段階です」
ターゲット・マーケティングは、顧客をセグメント化してアプローチする手法、ワン・トゥ・ワン・マーケティングが、個々の顧客に合わせてアプローチする手法である。では、リレーションシップ・マーケティングとはどのような手法だろうか。また、こうした手法を実現するためのCRMとはどのようなものだろうか。
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