【データセンター事例】280万会員の「宅ふぁいる便」を支えるITインフラサービスとは
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パブリックサービスに成長した「宅ふぁいる便」に求められた安定性
宅ふぁいる便は現在、マーケティング・リサーチ事業を主体とする大阪ガス行動観察研究所(2014年にエルネットから商号変更)において運営されているが、当初は大阪ガスが自らの業務において取引先とファイル転送を行う仕組みとして開発されたものだった。
同社の山川大介氏は「もともと大阪ガスで自社業務のために始まったサービスですが、利用しているうちに相手先から“面白いサービスなので、ぜひ他社とのやりとりでも使わせて欲しい”という話をいただくようになりました。当時のインターネットは牧歌的な共同体のようなイメージもあったため、我々も“どうぞご自由に無料でお使いください”という考え方でした。そしてサービスが口コミでどんどん広まっていったのです」と当時を振り返る。
「ファイル送受信に特化したサービスという点では他サービスに先んじており、一日の長があると自負しています。たとえば相手がファイル送信メールを開いたり、ファイルをサーバからダウンロードすると、その状況を送信者側に通知します。それだけでなく、未ダウンロード状態を知らせてくれる仕組みもあります。また送信時にファイルをZIP形式でまとめて自動圧縮する機能や、アドレス帳なども喜ばれています」(山川氏)
宅ふぁいる便は無料サービスが基本だが、より利便性を高めた企業向けの有料サービスとして「宅ふぁいる便ビジネスプラス」なども用意されている。無料版は未登録でも最大50MBまで利用でき、会員登録すれば最大300MBまでのファイルを256ビットSSL暗号化通信で送信できるが、この有料版は最大3GBまでの大容量に対応する。ほかにもアクセス・ログインしなくても、PCデスクトップ上のアイコンをクリックするだけで可能であったり、パスワード付き認証やウイルスチェック、1年分の送信履歴機能、高速ファイル転送機能など、多くの機能が追加されている。 また情報漏えいや内部統制といったセキュリティを重視するユーザーには別の有料サービスとして、受信したファイルの中身まで監査できる「オフィス宅ふぁいる便」も用意されている。
このように、ユーザーの利便性を重視した大容量ファイル転送サービスとして愛されてきた宅ふぁいる便だが、現在に至るまでには紆余曲折があったという。宅ふぁいる便が口コミで広がり、ユーザー数も増えてくると、当然サーバに大きな負荷がかかるようになり、維持管理コストも膨れ上がってくる。このままではサービスを続けられないかもしれない、という危機も何度か訪れたという。
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